北京市の最低賃金、9月から6%引き上げ2,120元に

(中国)

北京発

2018年07月12日

北京市人力資源・社会保障局は6月28日、「北京市の2018年の最低賃金基準の調整に関する通知」(京人社労発「2018」130号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。同通知によると、9月1日から北京市の正社員(全日制労働者)の最低賃金基準が月額2,000元から2,120元(約3万6,040円、1元=約17円)に引き上げられる。時給換算では11.49元から12.18元に引き上げられることとなる。上昇率は6.0%で、2017年(5.8%)並みの水準となった。

2004年3月施行の「最低賃金規定」は、最低賃金基準を少なくとも2年に1度調整するよう義務付けているが、北京市は金融危機の翌年(2009年)を除き、毎年最低賃金基準の改定を行っている(図参照)。

図 北京市の最低賃金の推移

なお、この最低賃金には(1)「中班」(昼すぎから夜にかけての勤務)、夜勤、高温、低温、地下、有毒有害物などの特殊な作業環境・条件下での手当、(2)残業、時間外賃金、(3)社会保険料と住宅積立金の個人負担分、(4)国と北京市の規定により最低賃金に計上しないと決められたその他の収入は含まれていない。

また、パートタイム労働者(非全日制労働者)の最低時給基準は22元から24元に、休日労働の最低時給基準は52.6元から56元に引き上げられた。これらの基準には、企業と労働者本人が納付すべき養老・医療・失業保険料が含まれる。

中国新聞網(6月30日)によると、2018年に入ってから6月29日までに11省・自治区・直轄市で最低賃金の改定が行われた(注)。上海市(2,420元)、広東省(2,200元)、北京市(2,120元)、山東省(1,910元)、新疆ウイグル自治区(1,820元)、四川省(1,780元)、江西省(1,680元)、広西チワン族自治区(1,680元)、雲南省(1,670元)、チベット自治区(1,650元)、遼寧省(1,620元)で、このうち四川省、広東省、広西チワン族自治区、チベット自治区は3年以上ぶりの引き上げとなった。

(注)地区によって最低賃金基準が異なるケースが多いが、その場合は最も高い額を記載。

(張敏)

(中国)

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