香港政府、茨城など4県産食品の輸入規制見直し措置を公示

(香港)

香港発

2018年07月23日

香港特別行政区政府(以下、香港政府)食物環境衛生署は7月20日、茨城、栃木、群馬、千葉の4県産の野菜、果物、牛乳、乳飲料、粉乳の香港への輸入を条件付きで認める命令(注1)を公示した。同命令は、香港時間7月24日正午(日本時間24日午後1時)に施行される。

香港政府は、東日本大震災後に発生した東京電力福島第1原子力発電所事故後の2011年3月24日、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産食品に対する輸入規制措置を実施した。今回の措置は、2018年6月12日に開催された立法会(議会)の食物安全・環境衛生委員会において、香港政府が輸入規制措置の見直しを提案し、同委員会での審議を経て実現に至った。

福島県産品については見直し対象から除外

同命令によると、香港政府は次の2種類の証明書(注2)を添付することを条件に、4県産の上記品目の輸入を認めるとしている(輸入規制措置の新旧対照表については表を参照)。一方、福島県産の上記品目は今回の見直しの対象から除外されており、輸入規制措置が継続される。

  • 当該食品の放射線量が国際基準〔コーデックス(CODEX)委員会の指針〕の制限値を超えていないことを証明する、日本の所轄官庁(農林水産省)が発行する「証明書」
  • 輸出事業者が、(1)日本産食品の放射線防護にかかる香港の輸入管理措置の規定を順守していること、(2)(その輸出事業者が扱う)当該食品が日本でも販売可能であること、(3)放射線防護の観点から食用に適すること、の3点を証明する、日本の所轄官庁(農林水産省)が発行する「輸出事業者証明書」
表 日本産食品に関する輸入規制措置の新旧対照表

香港で食品安全を管轄する食物安全中心(CFS)は7月20日付のプレスリリースで、「輸出側の日本および輸入側の食物安全中心におけるダブルチェックを通じて、食品の安全性を効果的に確保していく」とコメントした。加えて、「日本の農林水産省との情報交換を強化するとともに、(本命令の)円滑な運用を確保するため、関連業界と密接に連絡を取り合っていく」と強調した。

(注1)食物環境衛生署が7月20日に公示した命令(CFS/1/2018)は、以下の香港政府ウエブサイトPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)版官報で閲覧が可能。

(注2)各証明書の様式は、農水省ウェブサイトにて掲載し、施行日(7月24日)同日より関東農政局にて受付を開始する予定。食物安全中心によれば、香港政府に提出する各証明書は、原本であることが必要という。

(吉田和仁、前田久紀)

(香港)

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