新内閣発足、首相をはじめ多くが留任

(コートジボワール)

アビジャン発

2018年07月13日

大統領府は7月10日、「第3次ゴン・クリバリ内閣」の閣僚名簿を発表した。コートジボワールでは、連立政権内の対立を緩和するため、7月4日に内閣が総辞職していた。

新内閣ではアマドゥ・ゴン・クリバリ首相および35人の閣僚が任命されたが、新任は10人にとどまった。首相や外相、経済閣僚も多くが留任したため、新内閣発足に伴う政策的な変更は限定的とみられる。

新内閣の組閣は、2020年に予定されている大統領選挙を見据えて実施された。政権は、ワタラ大統領が所属する共和主義者連合(RDR)や同国で最も歴史ある政党のコートジボワール民主党(PDCI)などから成る連立政権「民主主義と平和のためのウフェ主義者連合(RHDP)」が担う。同連合内では、大統領選挙の候補者をどの党から出すかという点や、RHDPに参加する各党を統合して1つの政党をつくる計画などについて対立があり、内閣総辞職のきっかけとなった。

新内閣では、PDCIに所属する閣僚全員が留任した。大統領選挙の候補者擁立をめぐる緊張関係はあるものの、RDRはPDCIに一定の配慮をしたとみられる。一方、フランスの国営放送RFIは、新任の閣僚はRHDPを単一の政党とすることに賛成の人物のみが選ばれていることから、統合計画を推進するRDRがPDCIの統合消極派を牽制したとしている。

閣僚の顔ぶれに大きな変化がないことは事前に予想されており、国内の新内閣発足の受け止め方は落ち着いている。しかし、政策的な変更を伴わない新内閣には失望の声もある。閣僚が8人増えたことにも、国民からは批判が出ている。

(岡崎太)

(コートジボワール)

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