珠海市、「ユニコーン企業」を選抜・育成へ

(中国)

広州発

2018年07月23日

広東省珠海市政府は7月12日、「珠海市のユニコーン企業育成倉庫の入庫企業選抜業務の展開に関する通知」(珠科工信〔2018〕841号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(以下、通知)を発表した。珠海市は6月に発表した「科学技術イノベーション促進に関する質の高い発展3年行動計画(2018~2020)」で、2020年までにユニコーン企業を3~5社育成するとの目標を掲げている。

選抜された企業は技術、人材、資本、土地などに関して優遇が受けられる予定。育成期間は3年間。

珠海市外の企業も呼び込み

対象となる分野は次世代情報技術、人工知能、スマート設備、航空・宇宙、新エネルギーおよび新エネルギー自動車、バイオ医薬、新素材、フィンテック、越境EC(電子商取引)、新小売り(注)、現代物流、文化創作など。原則として設立から10年以内、バイオ・医薬などは15年以内が条件になっている。

珠海市に登記をしていない企業も選抜の対象となる。珠海市政府との間で設立意向契約を締結し、半年以内に珠海市で企業登記もしくは統括拠点、研究開発拠点、生産拠点を設立することが条件となる。

「ユニコーン」を幅広く定義

一般的な定義に基づく、未上場で推定企業価値10億ドル以上の「ユニコーン企業」だけでなく、推定企業価値1億ドル以上の「潜在的ユニコーン企業」や、高い技術力を持つ企業、発展の余地が大きい分野の企業などの「ユニコーンシード企業」も支援の対象となる(表参照)。

表 対象となるユニコーン企業の定義

(注)IT大手のアリババが打ち出した概念。オンラインとオフライン、物流、データ、 サプライチェーンが相互に結合した小売りの新たな形態。

(河野円洋)

(中国)

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