ドイツ政府、中国国家電網による電力株式取得を阻止

(ドイツ、中国)

ベルリン発

2018年07月31日

ドイツ連邦政府は7月27日、中国国営で送電最大手の国家電網(SGCC)によるドイツの送電会社50ヘルツの株式取得を防ぐため、50ヘルツの株式の20%を取得すると発表した。

経済・エネルギー省と財務省の共同発表によると、連邦政府は、安全保障上、重要なエネルギーインフラの保護を重視し、また、信頼性の高い電力供給への国民と経済の期待に応えるため、ドイツ復興金融公庫(KfW)に50ヘルツの株式20%を取得させることを決定した。80%の株式を保有するベルギーの送電会社エリアがオーストラリアの投資会社が所有する残り20%の株式を先取特権により取得した後、直ちにKfWに売却されるかたちで行われる。KfWへの売却は「つなぎ」の対応で株式はさらに転売される見込み。

50ヘルツはドイツの4つの電力系統運営会社の1つで、ドイツ全人口の約4分の1、約1,800万人に電力を供給し、ドイツのエネルギー転換政策の実施に当たり核となる役割を担うという。一方、SGCCは、同社ウェブサイトによると中国国土の88%をカバーし、11億人に対して電力を供給し、フィリピン、ブラジル、ポルトガル、オーストラリア、イタリア、ギリシャなどで事業を展開している。

(増田仁)

(ドイツ、中国)

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