ジッダで日本文化週間「NIPPON CON」が開催

(サウジアラビア)

リヤド発

2018年07月23日

日本文化週間「NIPPON CON」が7月12~16日、ジッダにあるワード・アカデミー・スクール(Waad Academy School)で開催された。本イベントはサウジアラビア娯楽庁が主催し、日本舞踊や三味線、和太鼓・剣術・茶道のパフォーマンスなど、来場者に対して幅広く日本の文化を伝えるイベントとなった。

会場のワード・アカデミー・スクールは、ジッダの中心地から約30キロ離れている。イベント運営の関係者の話によると「イベントの準備期間は2週間程度だった」とのことだったが、ツイッターやインスタグラムをはじめとするSNSを活用した案内や、ジッダ中心地のショッピングモールから会場までのシャトルバス運行など、イベントへのアクセスを容易にしたことで多くの人が来場した。同関係者は、「開催2日目の13日(金曜日)は、来場者数が約7,000人に上った」とコメントし、当地の週末(サウジアラビアでは金・土)とも重なり、盛況なイベントとなった。2017年4月に在サウジアラビア日本大使館とサウジ文化情報省の共催にて、リヤドで行われた「日本文化週間」の来場者数が、2日間で1万人強だったことを考えると、本イベントはかなり活況だったといえる。

写真 「NIPPON CON」入り口の看板(ジェトロ撮影)
写真 「NIPPON CON」会場の様子(ジェトロ撮影)
写真 三味線の公演の様子(ジェトロ撮影)

「ビジョン2030」でも娯楽活動の促進は重要なテーマに

2016年4月に発表されたサウジアラビアの国家改革計画「ビジョン2030」の目標には「活気ある社会~文化・娯楽活動の促進」が掲げられており、今回のような文化イベントは変わりゆくサウジアラビアの象徴ともなっている。また、本イベントでは会場内に男女の区分は設けられていない。最近でこそ「普通」に感じられるが、敬虔(けいけん)なイスラム教国家であるサウジアラビアにおいては、男女が同じ会場に入ることは過去、制限されてきた経緯があり、その区分がなくなったことは「ビジョン2030」が掲げる社会改革の大きな1つの成果だ。

本イベントの集客数をみても、サウジアラビアにおける娯楽関連の需要は引き続き高いとみられる。また、本イベントの盛況ぶりには「日本文化」がテーマだったことも一因と考えられ、今後のビジネスにおいても日本が強みを持つ娯楽産業分野において、日系企業のサウジアラビアでの新たなビジネス展開が期待される。

(佐々木宏行)

(サウジアラビア)

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