マクロン大統領がナイジェリア訪問、インフラなどに投融資を約束

(フランス、ナイジェリア)

ラゴス発

2018年07月19日

フランスのマクロン大統領が7月3日から2日間、ナイジェリアを訪問し、ブハリ大統領らと会談。インフラ、環境、起業家支援など、多岐にわたる投資案件を発表した。報道をまとめるとその内容は以下のとおり。

「ラゴスの交通インフラ」については次のとおり。

商業街区が2つの島に集中しているラゴスは、本土と島を結ぶ橋に限らず、島内の至る所で慢性的な渋滞が発生している。今回、フランス政府はラゴス州の都市移動発展プログラムとして2億ドルの融資を発表した。本土と島を結ぶ路線を中心に専用バス8路線を整備する。

ラゴスと郊外の都市を結ぶ都市型鉄道建設にフランスの多国籍企業アルストムが取り組む。ラゴス市街地と西部のオココマイコを結ぶ延長27キロ、13駅の都市型鉄道「ブルーライン」の高架橋、駅舎、線路は中国土木工程集団(CCECC)が建設しているが、変電、送電設備、管制システムはアルストムが建設する。電車の電力供給方式は、高架線方式よりコストの安い第三軌条方式(走行用の2本のレールとは別に、給電用レールを敷設し、車両に取り付けたコレクターシューが集電する方式)が採用された。

ナイジェリアで初めて受注したアルストムは、まず第1期および第2期工程の12キロ、5駅区間の建設に着手する。完成後は1日40万人の輸送客を目指し、最終的には1日70万人を見込んでいる。

「環境、インフラ分野」については次のとおり。

天然資源および自然エネルギーの持続的利用プログラム(SUNREF)により、フランス開発庁とEUの7,400万ユーロ相当の協調融資が、ナイジェリア製造業協会や2つの銀行との間で合意された。

SUNREFは西アフリカのフランス語圏の国々で始まったが、フランス政府はSUNREF IIとして英語圏のガーナとナイジェリアでも始めた。

ラゴス州の北に隣接するオグン州では、ナイジェのリアソブリン投資局とフランス企業が取り組む、10万8,000ヘクタールの森林再生事業に2億ドルを投資する。

ナイジェリア北部のカノでは、水道整備に7,500万ドルの無償融資を実行する。

スタートアップ支援に10億ユーロ

「スタートアップ支援」については次のとおり。

スタートアップ支援分野では、アフリカ大陸有数の投資額を誇るトニー・エルメル財団(TEF)のトニー・エルメル総裁とマクロン大統領が会談した。この中で大統領は、「デジタル・アフリカ・イニシアチブ」と称し、フランス開発庁を通じて10億ユーロを投資、ベンチャーキャピタルや長期投資を促進し金融エコシステムの枠組み強化に参加すると、TEFが支援する約2,000人の若い起業家らを前にして述べた。

(西澤成世)

(フランス、ナイジェリア)

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