メルコスール、シンガポールとのFTA交渉を開始へ

(ブラジル、シンガポール、南米南部共同市場<メルコスール>)

サンパウロ発

2018年07月25日

ブラジル外務省は7月23日、南米南部共同市場(メルコスール)とシンガポールの自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉を開始すると発表した。7月23~24日にメキシコのプエルト・バジャルタで第13回太平洋同盟首脳会合が開催されたが、今回はメルコスール側の首脳も参加しており、その機会を捉えた発表となった。シンガポールとの間では2018年5月25日に事前協議が終了しており、ブラジル商工サービス省傘下の貿易審議会(CAMEX)は7月11日にブラジルとして交渉開始を承認していた。外務省によれば、交渉範囲には財・サービスの貿易、投資、貿易円滑化、知的財産権、政府調達が含まれる。2018年内にも第1回交渉会合が開催される見込みだ。

国連貿易統計(UN Comtrade)によれば、2017年にメルコスール4カ国(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)によるシンガポール向け輸出額は27億9,000万ドルで、シンガポールからの輸入額は8億1,200万ドルと、メルコスール側の大幅な出超になっている(表参照)。ただし、貿易黒字はブラジルのみで、その他の3カ国の貿易収支は赤字だ。ブラジルのシンガポール向け主要輸出品目をHSコード4桁レベルでみると、HSコード8905の船舶関係が9億400万ドルと輸出額の33.1%を占めるほか、HSコード2710の石油が6億7,500万ドルで24.7%のシェアを占める。一方の輸入は、HSコード3808の殺虫剤などが1億5,800万ドルと輸入額全体の24.4%を占めている。

表 メルコスールの対シンガポール貿易実績(2017年)

(二宮康史)

(ブラジル、シンガポール、南米南部共同市場<メルコスール>)

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