オマーン政府、外国人雇用規制を6カ月間延長

(オマーン)

ドバイ発

2018年07月23日

オマーン人的資源省は省令を出し、2018年1月28日から6カ月間の暫定措置として導入した87の専門職種に対する外国人の新規雇用のためのビザ発行停止措置を、さらに6カ月間継続させることを発表した。また同時期に導入された、各セクターの販売員や調達担当者、建設および清掃セクターなどへの6カ月間の新規外国人雇用の停止規制も、全て6カ月間の延長が発表された。

これらの措置は、2017年に16.9%に達した失業率の上昇を受け、2017年10月にオマーン政府が自国民の失業対策のため、公的セクターと民間セクターで合わせて2万5,000人の雇用を創出すると発表した政策の一環で、民間セクターの自国民化(オマニゼーション)を促進するため導入されていた。

これら87職種は、10セクター(IT、会計・金融、マーケティング・セールス、総務・人事、保険、情報・メディア、医療、空港、土木・建築、科学)の比較的専門性が低いと見なされた職種だ(添付資料参照)。しかし、在ドバイの人材コンサルタントはメディアの取材に対し、「人事部門では従業員への総合給付制度計画に対応できる専門知識を有する人材など、規制されている職種の中で特に専門的な知見を必要とするポジションでオマーン人人材を見つけることに苦労している」と述べた。公的セクターの被雇用者は約9割が自国民だが、民間セクターでは、割合が上昇傾向にあるももの、2017年で12.1%にとどまる。民間セクターでの経験が豊富なオマーン人人材が不足している。

人的資源省の発表によると、オマーンの外国人労働者数は、2017年12月の185万4,880人から1.0%減少して2018年4月に183万6,569人となった。外国人労働者の減少は短期的にはその知見・ノウハウや消費力の低下により、経済にネガティブな影響を与えるかもしれない一方で、自国人材の育成により、中長期的な経済成長の礎となるとの見方があり、注目されている。

(山本和美)

(オマーン)

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