BASF、広東省で統合生産拠点を建設へ

(中国)

広州発

2018年07月26日

ドイツ化学大手BASFは7月9日、同社で世界3位の生産規模となる化学品統合生産拠点(フェアブント拠点、注1)を広東省に建設する計画を発表し、マーティン・ブルーダーミュラー会長が、林少春・広東省政府副省長とドイツ・ベルリンで同計画が盛り込まれた覚書(MOU)を交換した。

BASFは現在、最大規模のドイツ・ルートビッヒスハーフェンをはじめ、ベルギーのアントワープ、米国のテキサス州フリーポート、ルイジアナ州ゲイズマー、中国江蘇省南京市およびマレーシアのクアンタンと世界に6カ所の生産拠点を構えている。同社のプレスリリースによれば、広東省の拠点は、BASFの単独出資の生産拠点としては欧州の2拠点に次ぐ規模となる予定だ。

重化学工業分野での外資単独の進出は初めて

広東省の拠点は2030年までに建設が完了する予定で、投資総額は100億ドルの見込み。第1期のプラント建設は遅くとも2026年までに終える予定で、年間100万トンのエチレン生産能力を持つスチームクラッカーや石油化学プラントを建設するという。

広東省の拠点は同社の中国における2つ目の生産拠点となり、中国初の重化学工業分野での外資単独プロジェクト(注2)になるとみられる(「新華網」7月11日)。

(注1)フェアブントは「統合・つなげる」を意味するドイツ語「Verbund」で、パイプライン網で主要拠点の生産プラントを機能的に結び付けた統合生産拠点を指す。

(注2)南京市の拠点は2000年に、中国油石化工集団(シノペック)と50%ずつの出資で設立された合弁会社。

(黄冬瑩)

(中国)

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