成長するNZ市場のセミナー、イノベーションビジネスに商機

(ニュージーランド)

アジア大洋州課

2018年07月02日

日本ニュージーランド経済委員会、日本商工会議所、ジェトロなどが主催する「ニュージーランドビジネスセミナー」が6月26日、東京都内で開催された。人口増加を背景に、安定した経済成長を維持するニュージーランドの投資環境、新たなビジネスチャンスについて紹介した。

冒頭に登壇したスティーブン・ペイトン駐日大使は「世界銀行の調査で、ニュージーランドは世界で最もビジネスしやすい国と評価された。また、起業家精神が旺盛な国民性、高い教育水準、独創的なアイデアが評価される社会を理由に、多くのスタートアップが生まれている」と、自国の投資環境の魅力を説明した。

続いて登壇したニュージーランド貿易経済促進庁(NZTE)の彦坂浩史インベストメントマネジャーは、主要な投資対象分野として、食品・飲料製造業、一次産業、情報通信技術(ICT)、インフラ開発、高付加価値製造業(小型船舶や航空機)を挙げた。その上で、日本企業も、飲料や林業を含め、さまざまな分野で進出していることを説明した。

セミナー後半では、ゲームやアニメーションのコンピュータグラフィック(CG)を制作する日本企業が「ニュージーランドには、高いCG技術を持つ現地企業、人工知能(AI)やバーチャルリアリティー(VR)を研究する大学があり、産学連携も盛んだ」と説明し、ニュージーランドの大学や企業と連携した研究開発(R&D)に期待を寄せた。

また、米国シリコンバレーに拠点を置く日本企業(農業機械)も「ニュージーランドは高付加価値農業に実績がある。さらに南半球に位置するため、北半球に拠点を置くわれわれからすると、季節が逆転するため、年間を通して開発データが収集できる」とし、ニュージーランド企業と連携した農業自動化の取り組みを紹介した。

人口が小規模な同国は、巨大市場に進出する前のテスト市場としても注目されており、今後の日本企業のさらなる進出が期待される。

(田口裕介)

(ニュージーランド)

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