チリとのFTAを批准、経済補完協定を現代化

(ウルグアイ、チリ)

米州課

2018年07月17日

ウルグアイ上院は7月11日、チリとの自由貿易協定(FTA)を批准した。協定への署名は2016年10月4日に両国間で行われており(2016年10月17日記事参照)、チリは2018年4月19日に国内批准手続きを終えていた。ラテンアメリカ統合連合(ALADI)事務総局が両国当局に批准の完了したことを通知して90日後に発効する。発効すればウルグアイとして7番目、チリとして27番目のFTAとなる。

もともとチリは、ウルグアイが加盟する南米南部共同市場(メルコスール)と経済補完協定(ACE)35号を1996年10月に発効させており、相互に全品目で関税が撤廃されているものの、物品・サービス貿易、紛争解決、知的財産権保護といった基礎的な条項しか含まれていない。今回のFTAはACEを現代化したものといえ、電子商取引、越境サービス貿易、ジェンダー、中小企業の輸出、労働、環境といった新しいテーマが含まれている。FTAの条項にジェンダーが含まれることは珍しく、女性の活躍によって経済発展を進めるための協議会を両国で開催するなどの規定が盛り込まれている。なお、署名済み協定文の各章はウルグアイ外務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますより入手が可能だ。

ウルグアイ全国貿易・サービス会議所(CNCS)によると、チリとの物品貿易では2013年からウルグアイの輸入超過となっており、2017年は2,750万ドルの貿易赤字だった。チリへの輸出品目上位3位は、骨なし牛肉(冷凍・冷蔵、シェア30%)、コメ(5%)、有機界面活性剤(5%)で、チリからの輸入品目上位3位はサーモンフィレ(冷凍・冷蔵、13%)、ワイン(4%)、銅線(4%)となっている。既に両国間では全品目の関税が撤廃されているため、2国間FTAが発効しても輸出入品目に変化はないとしつつ、両国の中小企業が生産・輸出拡大のためのベストプラクティスを共有することなどに期待を寄せている。

(志賀大祐)

(ウルグアイ、チリ)

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