「高齢化」をキーワードに日中間の事業展開を加速へ

(中国)

上海発

2018年06月28日

ジェトロは上海で、中国最大の養老介護展示会「中国国際養老福祉機器・リハビリ医療博覧会(China AID)」の主催者である上海市民政局などと共催し、6月13日に日本の養老介護関連企業53社と中国政府関係者や現地企業との「日中高齢者産業交流会」(セミナー兼個別商談会)を開催した。

同交流会で、上海市民政局老齢工作処の陳躍斌処長は「上海市養老サービス業の現状と発展状況」を紹介した。2017年末の上海市の80歳以上の人口は80万5,800人で、全市高齢者(65歳以上)人口の16.7%、全市人口の5.5%を占める。この膨大な高齢者人口による社会問題を解決するため、上海市は民間企業の参入や海外企業の養老サービス企業の設立に注力している。一方、養老ベッド数は14万床にとどまるが、2020年までには15万9,000床に拡大し、社区(コミュニティー)における総合養老サービスセンターやデイケアセンターのカバー率の向上に努める。また、介護施設の建設も進めており、養老施設と医療施設が連動する「医養結合」を奨励している。

ジェトロは、日本の介護福祉産業関連企業の中国への進出や市場開拓を支援するため、2013年に同交流会をスタートさせた。既に日本企業約800社と中国企業約1,500社との商談の機会を創出し、日本企業の中国ビジネスを後押ししている。2018年5月9日に李克強首相が訪日した際に開かれた日中首脳会談においても、「急速な少子高齢化対策への新たな協力分野の開拓」に向けて、合意したところだ。今後、今回の上海を皮切りに、北京、大連、青島、成都、武漢、広州など中国内20カ所において同交流会を開催する予定。

写真 交流会のオープニングセレモニー(ジェトロ撮影)
写真 にぎわう交流会の様子(ジェトロ撮影)
写真 上海市民政局によるプレゼンテーション(ジェトロ撮影)

(林真彦、徐暁蕾)

(中国)

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