老舗百貨店ロード・アンド・テイラー、10店舗閉鎖へ

(米国)

ニューヨーク発

2018年06月18日

米サックス・フィフス・アベニューなどの百貨店を傘下に持つカナダ大手百貨店ハドソンズ・ベイ・カンパニー(HBC)は6月5日、傘下の米百貨店ロード・アンド・テイラー(Lord&Taylor)に関し、2019年までに全米49店舗のうちニューヨークマンハッタン区5番街の旗艦店を含む10店舗を閉鎖する予定だと発表した。ロード・アンド・テイラーは、1826年に創業した米国で最も古い高級百貨店で、旗艦店で毎年行われるウィンドー・ディスプレーは、ニューヨーク市の冬の風物詩となっていた。

オンライン化を進め収益性の向上図る

最近米国では、メイシーズやシアーズといった大手百貨店が店舗閉鎖計画を発表するなど、実店舗を縮小してオンライン販売を強化する動きがみられる。

HBCの最高経営責任者(CEO)ヘレナ・フォークス氏は、プレスリリースで「デジタルビジネスの推進に注力し、店舗面積の最適化を図ることで、ロード・アンド・テイラーの実店舗とオンラインの業績バランスを改善させ、収益力向上を図る」とし、「小売業大手ウォルマートのオンラインサイト『Walmart.com』に設けられたロード・アンド・テイラーの店舗が良い例で、われわれがロード・アンド・テイラーのビジネス全体についてどのように考えているかを表している」と述べた。

2017年10月に、ロード・アンド・テイラーのニューヨーク旗艦店の建物はシェアオフィス運営大手ウィワーク(WeWork)に売却されることが発表されている。2018年末以降は、売り場面積を縮小した上でスペースを借り、百貨店運営を続ける予定だったが、プレスリリースによると、「建物の最善の使用方法を検討した結果、売却後は営業を続けないことを決定」したとしている。また、この象徴的な場所から撤退することについては、「デジタル分野でのビジネスに重点を置き、収益性を向上させるロード・アンド・テイラーのコミットメントを反映している」とした。

(権田直)

(米国)

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