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カンボジア初のリエル建て社債発行を申請

(カンボジア)

プノンペン発、アジア大洋州課

2018年06月04日

カンボジアのマイクロファイナンス(小口金融)大手であるハッタ・カクセカー(HKL)は5月7日、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)の支援の下、同国初の現地通貨リエル建て社債発行をカンボジア証券取引委員会(SECC)に申請したことを明らかにした。IFCは同社債が発行された場合に2,000万ドル相当を買い入れ、カンボジア国内の債券市場形成を支援する。このリエル建て債券の発行は、地方の農家をはじめとした少額融資希望者への融資を促進し、さらにリエルの利用促進(注)に貢献する。

カンボジア国内の債券市場を形成へ

カンボジアでは2017年8月、国内の証券業界全体の管理運営を行うSECCが社債発行に関する規制を定めたことにより、企業は初めて資金調達を目的とした社債発行が可能となった。また同年11月に、カンボジア国立銀行(NBC、中央銀行)が商業銀行やマイクロファイナンス機関による社債発行および株式上場に関する省令を公表し、金融機関も総資産の20%未満まで社債発行が可能となっていた。

事業拡大を目指す企業の資金調達手段として社債発行が広がれば、カンボジア国内の債券市場拡大による経済成長の加速が見込めるため、社債発行に対する支援の動きがみられる。例えば、国内の証券市場を運営し、株式などの売買取引を行う場を提供しているカンボジア証券取引所(CSX)は2017年12月に「債券市場に関するルール」を発表、社債発行申請に関する相談を受け付けるとし、申請の際はCSXに連絡するよう企業に呼び掛けた。

また、アジア開発銀行(ADB)は2018年2月、「ASEAN+3 BOND MARKET GUIDE」のカンボジア版を発行し、法規制や債券市場の特性、コストなどの情報提供を行った。その結果、企業や金融機関は社債発行に関心を寄せ、複数社が社債発行を検討した。

社債は、発行側にとって資金調達が容易なことや資金調達コストが抑えられることなどのメリットがある上に、投資側にも利率と満期が確定していることにより低リスクで利回りを確保できるメリットがある。一方で、企業の社債発行が進んだ場合、国内の債券市場に投資を呼び込むための方策や、債券不履行(デフォルト)リスクへの対応などの課題が挙がるとみられ、今後の動向が注目される。

(注)カンボジアは現在、ドルの普及が進んでいるが、NBCは効果的な金融政策のためにリエル普及を推進している。

(安藤彩加、安野亮太)

(カンボジア)

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