ジェトロ、ボストンに米国2カ所目のスタートアップ支援拠点

(米国)

ニューヨーク発

2018年06月13日

ジェトロは米国北東部の主要都市ボストン(マサチューセッツ州)に、スタートアップ企業の支援拠点「ジェトロ・グローバル・アクセラレーション・ハブ」を設置した。6月7日、拠点運営を受託したケンブリッジ・イノベーション・センター(CIC)で開催された交流イベントで発表した。米国ではシリコンバレーに次ぐ拠点となる。

交流イベントのジャパン・ライフサイエンス・イノベーション・ナイトには、日米のスタートアップ関係者など800人以上が参加し、パネル討議やピッチイベントなどが行われた。ハブ設置を発表したジェトロ・ニューヨーク事務所の田中博敏所長は「CICと連携し、日本のスタートアップ企業のボストン進出、米国スタートアップ企業の日本進出の双方向の交流を支援する」と語った。

CICは世界最大級のインキュベーター施設で、約900社が入居している。スタートアップ企業のみならず、ベンチャーキャピタル、アクセラレーター、日系企業を含む大手企業の研究開発部門なども多数入居しており、施設内で交流イベントを頻繁に開催している。ボストンのスタートアップ活動をリードする中核的存在の1つといえる。3月にはCICの交流イベントを運営する非営利団体ベンチャー・カフェが日本に進出したことでも注目を集めている。

CICのティム・ローCEOは「日本では、スタートアップ拠点としてのボストンの知名度は必ずしもまだ高くない。日本の旅行エージェントと連携して、ボストンのエコシステム・ツアーなども計画している」と話し、ボストンの情報発信を強化していく考えを示した。

ボストンにはハーバード大学、マサチューセッツ工科大学など世界有数の大学が立地しており、特に医療機器、バイオテクノロジー、医薬品といったライフサイエンス分野の研究開発が盛んで、多くの関連企業も集積している。スタートアップも非常に活発で、CICをはじめ起業支援組織も多くある。

写真 ジェトロ・グローバル・アクセラレーション・ハブ」の設置を発表するCICのローCEOとジェトロ・ニューヨーク事務所の田中所長(ジェトロ撮影)
CICのカフェスペースで開催されたジャパン・ライフサイエンス・イノベーション・ナイトの様子(ジェトロ撮影)

(若松勇)

(米国)

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