ベトナムへの食用玄米輸出が可能に

(ベトナム、日本)

ハノイ発

2018年06月05日

日本の農林水産省は5月29日、ベトナム政府との植物検疫協議の結果、食用玄米の輸出が可能になったと発表した。これまで、日本産米のベトナム向け輸出は精米に限られていた。食用玄米の輸出に当たっては、精米と同様に植物防疫官による輸出検査を受け、植物検疫証明書を添付することが必要となる。同省によると、ベトナム向けに玄米輸出を検討する事業者は、あらかじめ最寄りの植物防疫所に問い合わせることとされている。

齋藤健農林水産相は5月29日の記者会見で、「玄米での輸出が可能になったことにより、現地で精米したての、より鮮度の高い日本産米の流通が可能となる」とした上で、「今回の解禁により、ベトナムでの日本産米の需要開拓、輸出拡大の弾みになることを期待している」と述べた。

日本からベトナムへの精米輸出額は年々増加しつつあり、2017年は約3,200万円と前年と比較して倍増した(表参照)。香港やシンガポールなど、既に玄米輸出が行われている市場ではその食味の良さから順調に数量を伸ばしているとされており、所得向上や訪日旅客数の増加などに伴い、当地でも中長期的な市場拡大の可能性が見込まれる。

表 日本からベトナムへの精米(HS:1006.30)輸出額の推移

(竹内直生)

(ベトナム、日本)

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