遼寧省、外資系企業の誘致拡大に向け40項目の施策を発表

(中国)

大連発

2018年06月01日

遼寧省政府は5月16日、2018~2022年の対外開放における目標および40項目の具体的な施策を定めた「新局面開放の構築を加速し、全面開放による全面振興の牽引に関する意見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(遼委発[2018]20号)を発表した。2022年までにハイレベル製造業と現代サービス業を中心として、150億ドルの外資誘致を実現させるとしている。

同意見で定められた主な施策は、次のとおり。

1つ目は、2018~2022年に、以下の条件に合致する外資系企業の新設や増資に対し、当該年内の実際の投資額の最低2%~最大1,000万元(約1億7,000万円、1元=約17円)の奨励金を支給。条件は次のとおり。

  1. ハイレベル製造業と現代サービス業に該当する世界500強企業の新規進出で、当該年内の実際の投資額が1,000万ドルを超える場合
  2. 外資系企業の新規進出で、当該年内の実際の投資額が5,000万ドルを超える場合
  3. 外資系企業の増資で、当該年内に3,000万ドルを超える場合
  4. 多国籍企業による地域本部新設で、当該年内に実際の投資額が2,000万ドルを超える場合

2つ目は、外資系企業の参入前の内国民待遇とネガティブリストによる管理。具体的には次のとおり。

  1. 一般製造業、通信、医療、教育、ヘルスケア、新エネルギー車などの分野における外資参入の開放
  2. 国有企業改革への外資の参入の促進
  3. 政府と社会資本の協力(PPP)への外資の参入の促進
  4. 奨励類の産業に属する外資系企業に対し、繰り延べ納税策や所得税の暫定的な不課税を実施

3つ目は、輸入の拡大。具体的には次のとおり。

  1. 先進的な技術や設備、中核を成す部品、特色ある良質な消費財、高付加価値製品、および資源類製品の輸入の拡大
  2. エンジンおよび完成車技術、5軸加工機、加工センターおよびロボットを活用したスマート溶接生産ラインなど、先進的な技術や設備の輸入の拡大
  3. 並行輸入車の拡大による輸入自動車の消費の拡大
  4. 果物、肉類、乳製品、酒類および化粧品などの輸入の拡大

(注)不動産、金融、金融類(第三者支払会社、小額融資、融資担保、ファイナンスリース、売掛債権ファクタリング、地方の金融資産管理会社(地方の不良資産の購入と処理を行う会社)、質屋など)は対象外。

(李穎)

(中国)

ビジネス短信 83d2a9940bd32d98