アフリカ開発銀行が釜山で年次総会

(アフリカ、韓国)

ラバト発

2018年06月11日

第53回アフリカ開発銀行(AfDB)年次総会が、5月21~25日に韓国の釜山で開催され、「アフリカにおける工業化の加速」をテーマに議論された。なお、同総会は韓国・アフリカ経済協力会議(KOAFEC)と併催された。

総会のテーマであるアフリカの工業化については、AfDBが掲げている10カ年戦略(2013-2022年)で5つの優先的な開発アジェンダ〔High 5s:(1)アフリカの電化、(2)食料増産、(3)工業化、(4)地域統合、(5)人々の生活の質の向上〕に含まれている。AfDBのアキンウミ・アデシナ総裁はアフリカの工業化加速のため、AfDBは今後、(1)農業の産業化、(2)工業化に伴う人材育成、(3)重点産業における民間部門への投資、(4)資本市場の開発および金融へのアクセス改善、(5)工業化におけるアフリカと先進国との協力および南南協力の強化、に焦点を当てていくと述べた。

また、2017年におけるAfDBは74億ドルの拠出を達成、1964年の創設以来最高額を達成したことを明らかにした。AfDBの営業利益は2014年に一度下がったものの、2017年は前年比68%増を記録したという。

また、総会ではAfDBと国連工業開発機関(UNIDO)が、アフリカの工業化を促進するための協力覚書(MOU)を取り交わした。これは、AfDBがUNIDOと国連アフリカ経済委員会(ECA)との共同作業により策定した「アフリカ工業化戦略2016-2025」の実行を促すもの。アグリビジネス、循環型経済、エコ工業団地、革新・技術への投資、キャパシティービルディング、金融へのアクセスなどの分野における共同活動の円滑化を目指している。

(井上尚貴)

(アフリカ、韓国)

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