2017年の精米生産量は135万トン、自給率79%

(コートジボワール)

アビジャン発

2018年06月18日

コートジボワール政府は6月6日、2017年の精米生産量を135万トンと発表した。国内消費量は170万トンで、自給率は79%にとどまった。2014年以降、生産量は130万トン台で推移しており、足踏みが続いている。

2012年に始まった国家稲作開発戦略(SNDR)では、2016年にコメの自給国となることが目標とされていた。農業機械の導入や灌漑施設の整備などに取り組んだが目標は達成されず、政府は達成期限を2020年に先送りしている。

こうした状況を改善すべく、2018年1月にはコメ政策を担ってきた国家稲作開発事務局(ONDR)が米穀産業開発機関(ADERIZ)に改組された。だが、ADERIZはようやく運営委員会が発足し活動を始めた段階。国が運営している精米所を民間に委託するという構想が出ているが、具体的な施策はまだ打ち出せていない。

一方、外国企業の参入は活発だ。2017年には、モロッコの建設大手アドハと地場のセメント大手シマフが合弁でコメの生産に参入すると発表した。また、オランダのビール製造ハイネケンと豊田通商子会社のCFAOの合弁会社であるビール製造大手ブラシボワールも、コメ増産プロジェクトに約3億CFAフラン(約6,000万円、1CFAフラン=約0.2円)を投資した。ブラシボワールは、原料の一部に国産米を使用したビールの生産を同年3月から開始しており、コメの収量が増えれば原料が調達しやすくなる。

精米所の整備も進む。インド輸出入銀行は、コートジボワール政府の精米所建設計画に総額3,000万ドルを融資した。国内30カ所に精米所を整備し、2018年中に運用が始まる予定だ。各精米所の処理能力は年間2万5,000トンを見込む。日系企業では、精米機大手のサタケが2016年に営業拠点を設置し、機械化の推進に貢献している。

なお、国連食糧農業機関(FAO)の統計によると、2016年の時点で、コートジボワールのコメ(もみ米)生産高はアフリカ7位となっている(表参照)。

表 アフリカにおけるコメ生産高上位10カ国(もみ米ベース、2016年)

(岡崎太)

(コートジボワール)

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