鉄鋼製品の一部に統一関税を導入

(湾岸協力会議<GCC>、アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2018年06月18日

湾岸協力会議(GCC)加盟国は、鉄鋼製品の一部に統一関税をかけることに合意し、5月15日から実施している。期間は3年間。アラブ首長国連邦(UAE)の場合、初年度は1トン当たり620UAEディルハム(約1万8,600円、1ディルハム=約30円)で、2年目は561.5ディルハム、3年目は503ディルハムと低減させていく。これは、トランプ米政権が米国に輸入される鉄鋼製品に25%、アルミニウム製品に10%の関税を導入したことにより、輸出先を失った鉄鋼製品が安価にGCC諸国に輸入されることに伴う自国産業への影響を防ぐための措置だ。

GCCでの合意を受け、UAEは経済省令を発令し、GCC統一貿易統計品目HS7210「鉄または非合金鋼のフラットロール製品(クラッドし、めっきしまたは被覆したもので、幅が600ミリ以上のものに限る)」のうち、HSコード721070「ペイントもしくはワニスを塗布しまたはプラスチックを被覆したもの」および721090「その他のもの:HSコード721011-721069に定義されないもの」に対し、上記の関税を課すとした。ただし、トルコ、南アフリカ共和国、インドネシアなど100カ国以上の国からの輸入については課税が免除される(表参照)。

なお、2016年の該当製品のUAEへの輸入量は約6,300万トン、輸入額は約5,788万ドルだった。

表 関税免除国・地域一覧

(山本和美)

(湾岸協力会議<GCC>、アラブ首長国連邦)

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