4月の失業率EUは横ばい、ユーロ圏は0.1ポイント改善

(EU、ユーロ圏)

ブリュッセル発

2018年06月07日

EU統計局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ユーロスタット)は5月31日、2018年4月のEU28カ国全体の失業率(季節調整済み)が前月から横ばいの7.1%となった、と発表した(表参照)。ユーロ圏19カ国では、前月から0.1ポイント改善し8.5%だった。失業者数でみると、前月からEU全体で約5万3,000人減少し、ユーロ圏でも約5万6,000人の減少となった。非ユーロ圏では失業者数が3,000人増加した。

表 EUおよび加盟国の失業率

加盟国ごとの改善率で大きな差

2018年4月の失業率を国別でみると、チェコが2.2%と最も低く、スペインが15.9%と最も高くなった(ただし、データが2018年2月までしか発表されていないギリシャの20.8%を除く)。

失業率が前月比で0.2ポイント以上改善した加盟国は、キプロス(9.0%→8.6%)で0.4ポイント、マルタ(3.3%→3.0%)で0.3ポイント、スペイン(16.1%→15.9%)、クロアチア(9.3%→9.1%)、ラトビア(7.6%→7.4%)、でそれぞれ0.2ポイント改善した。

一方、リトアニア(6.5%→6.9%)で0.4ポイント、デンマーク(4.9%→5.2%)で0.3ポイント、ルーマニア(4.4%→4.6%)で0.2ポイント、イタリア(11.1%→11.2%)で0.1ポイント、悪化した。

2018年4月のEU28カ国全体の若年層の失業者数は342万6,000人となった。このうち、243万3,000人がユーロ圏19カ国の失業者だった。EU全体、ユーロ圏19カ国の若年層の失業者数は、前月からそれぞれ、1万6,000人、2万人の減少となった。非ユーロ圏では4,000人の増加となった。

加盟国別にみると、フランス(58万6,000人、若年層失業率20.7%)、イタリア(52万1,000人、33.1%)、スペイン(50万2,000人、34.4%)の失業者数が引き続き大部分を占めた(最新値未発表の英国は、2018年2月時点で49万3,000人、11.5%)。イタリアは、全体で増加した失業者数1万7000人のほぼ全てを若年層が占め、若年層失業率は前月から0.6%悪化した。

また、これら3カ国以外にも、ポルトガル(22.1%)で20%を超える高水準の失業率となった(4月のデータが未発表の、クロアチアは3月時点で23.5%、ギリシャは2月時点で45.4%、キプロスは2017年第4四半期時点で23.1%)。

(大中登紀子)

(EU、ユーロ圏)

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