計画・財務相とMIC委員長を選任

(ミャンマー)

ヤンゴン発

2018年06月13日

ミャンマー連邦議会は5月31日、収賄の疑いで辞任した計画・財務相チョーウィン氏の後任にソーウィン氏(80歳)の任命を全会一致で承認し、6月5日に議会での新大臣の就任宣誓式を終えた。

計画・財務相に銀行制度に精通のソーウィン氏

今回任命されたソーウィン氏は、与党・国民民主連盟(NLD)中央経済員会の委員。1960年代に国営銀行に入行後、英国内の銀行に派遣されたこともある。長期にわたりミャンマー国営銀行業務に携わり、銀行制度に精通しているといわれている。退職後は会計事務所を設立し、のちにデロイト・トウシュ・トーマツの傘下に入った。税制や投資規制などにも明るく、民間企業との結び付きも強いことから、経済と銀行・金融部門の改革の加速が経済界から期待されている。NLD政権にとっても、同氏の起用を通じ、山積している経済運営の課題に取り組みたいところだ。

ソーウィン氏は連邦議会での宣誓式終了後、記者団に対し「経済分野(改革の着手)は心配しないでほしい。国民の皆さんにはわれわれの経済運営を静観していただきたい」と述べた。また、経済発展のためには省庁間の連携が重要であり、これに取り組んでいくことも強調した。アウンサンスーチー国家最高顧問からは「(経済運営に対し)自由に決断するよう指示を受けている」とも述べた。他方、80歳という閣僚の中でも最高齢で、重要ポストに就任することについて、職務遂行力や、健康に懸念を抱く声も聞かれる。そのため、記者団に対して「健康には十分に留意している」との言及もあった。

MIC委員長に連邦政府省大臣を起用

辞任したチョーウィン氏が務めていたミャンマー投資委員会(MIC)の委員長ポストには、今回任命されたソーウィン氏ではなく、2017年に新設された連邦政府省大臣で、MIC委員でもあったタウントゥン氏(国家安全保障顧問)が6月5日付で選任された。元外交官で、欧州を中心に各国での大使を歴任後、現政権に登用された。MIC委員長のポストは従来、計画・財務相が就任することが多かったが、今回の人事にはソーウィン氏には経済改革など省本来の業務に集中させ、外交畑を歩んだタウントゥン氏をMIC委員長に起用することで外国企業の投資誘致に強化したいという政権のメッセージが読み取れる。

(クントゥーレイン)

(ミャンマー)

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