東京ガスがモザンビークのLNG共同調達に基本合意

(モザンビーク、日本、英国、米国)

ヨハネスブルク発

2018年06月26日

東京ガスと英国ガス大手セントリカは6月15日、モザンビークでの液化天然ガス(LNG)の共同調達に基本合意したと発表した。本合意に基づき、両社は米国石油大手アナダルコが開発するガス田から、年間約260万トンのLNGを購入する予定だ。期間は、LNG生産開始から2040年代初頭まで。

アナダルコは、モザンビーク北部のカーボデルカド州沖合にあるエリア1ガス田で進められているLNG事業の主要オペレーター(権益26.5%保有)で、三井物産もエリア1の20%の権益を保有している。

アナダルコのミッチ・イングラン副社長は「東京ガスとセントリカは、天然ガス業界において世界的に知名度が高く、両社がモザンビークのLNG事業にコミットしたことをうれしく思う」と発言し、「本合意がエリア1LNG事業の最終投資決定(FID)の重要な要素になる」と期待を示している。さらに、イングラン副社長は「共同調達合意は、日本と英国における天然ガス市場の需要変動にフレキシブルに対応することになる」と述べるとともに、「日本政府のLNG長期調達と競争力のある価格でのLNG調達というエネルギー戦略に資するものになる」との見解を示した(現地紙「ノティシアス」6月18日)。

アナダルコが進めるLNG事業は、エリア1のゴルフィーニョ・アツン・ガス田から年間約1,200万トンのLNGを生産する事業で、2系列(600万トン×2)が建設される予定だ。同ガス田は、31兆3,000億立方フィート(TCF)の天然ガス埋蔵量が確認されている。モザンビーク政府は、本LNG事業の開発計画を2018年3月に承認していた。2017年6月には、エリア4のサウスコーラル・ガス田でのLNG事業の最終投資がイタリア炭化水素公社(ENI)などにより決定された。このほかにも、エリア1とエリア4にまたがるガス田(プロスペリダージ・マンバ)でのLNG事業が検討されており、天然ガスの供給地としてモザンビークが注目されている。

(阿部晶子)

(モザンビーク、日本、英国、米国)

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