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ドラグネア与党党首に3年6カ月の懲役判決

(ルーマニア)

ブカレスト発

2018年06月29日

ルーマニアの最高裁判所は6月21日、下院議長で社会民主党(PSD)党首のリビウ・ドラグネア氏に対し、懲役3年6カ月の有罪判決を下した。各紙報道によると、本裁判は、2008年から2010年にかけて、同氏の故郷である南部テレオルマン県で発生した架空雇用に関するもの。同県社会保障・児童保護局(DGASPC)の職員として雇われ、給与を受け取っていた女性2人が、実際はPSDの地方支部組織の業務に従事していたとされる。国家汚職対策局(DNA)は、当時テレオルマン県議会議長およびPSDの地方支部代表を務めていたドラグネア氏が本事件に関与したとして、職権乱用と偽装工作で懲役10年を要求していた。

ドラグネア氏は、過去に国民投票の不正によって執行猶予2年の判決を受けているが、2度目の有罪判決となる今回の判決により前回の執行猶予が取り消され、3年6カ月の実刑が言い渡された。ただし、報道によると、同氏は控訴するとみられている。同氏は、自身が国家汚職対策局による司法権乱用の被害者だとして、無罪を主張している。

ドラグネア党首は、1年で2度の首相交代を引き起こすなど、首相に代わり真の実権を握る人物とされる(2018年2月20日記事参照)。今回の有罪判決は、近年、特に司法をめぐって対立が深まる政府と大統領の間に、さらなる政治的緊張を生む可能性がある。政府は、行き過ぎた汚職への取り締まりが法の支配をゆがめているとの主張を展開し、国家汚職対策局のラウラ・コドルッツァ・キョベシ首席検事の解任を求めているが、クラウス・ヨハニス大統領はそれを拒否。また、政府と大統領は、2017年12月に可決された司法関連法改正や、2018年5月に審議が開始された刑法改正をめぐっても、対立を深めている(注)。

今回の判決に関し、ヨハニス大統領は「2度目の有罪判決を受け、ドラグネア氏は純粋にルーマニアの公職から消えうせるべきだ」とコメントした。一方、ビオリカ・ダンチラ首相は「ルーマニアの法執行には恣意(しい)的な影響が存在することを示している」と述べ、ドラグネア氏をかばう発言をしている。

(注)6月18日には刑法改正が議会で可決され、大統領による公布を待つが、大統領は以前、刑法改正には反対するコメントを出している。

(藤川ともみ)

(ルーマニア)

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