自動運転車の走行実験が公道上で可能に

(イタリア)

ミラノ発

2018年05月01日

イタリアにおいて公道上で自動運転車の走行実験を可能とする法令が4月18日に施行された。同法令では、当該分野における今後の政府による推進方針、走行実験の申請者の要件、義務、許認可内容などが定められた。

自動運転に関連する道路上の情報通信インフラ整備については、第1段階として2025年までに汎(はん)欧州運輸ネットワーク(TEN-T)に属する道路などを対象に実施していくことが盛り込まれた。その後、国全体に拡張されていく予定だ。また、2030年までに適切な走行速度や混雑路の回避、充電スタンド、駐車場などを含めた統合的な管理を行う体制の確立を目指すとしている。また、こうしたインフラ整備に関する助成などについても、今後規定していくことを定めている。

自動運転実験の申請は、大学、公的・私的研究機関、自動運転技術を有する自動車メーカーに対して認められる。申請は単独でも共同でも可能だ。運輸・インフラ省内の担当部署に申請し、同部署が承認する。認可期間は1年で更新は可能、更新の場合は期間満了の30日前までの申請が必要だ。

走行実験は、試験車両を運転できる運転免許を5年以上保有する監督者によって実施されることが必要で、自動運転と手動操作運転を瞬時に切り替えられるようにすることが求められる。また、監督者が両方の運転状態で責任を負うことが定められた。

このほか、保険付保や報告義務などについても同法令で定められている。

(山内正史)

(イタリア)

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