安倍首相がUAE訪問、12分野での協力強化目指す

(アラブ首長国連邦、日本)

ドバイ発

2018年05月08日

安倍晋三首相は4月29~30日、アラブ首長国連邦(UAE)を訪問した。エネルギーの安定供給確保だけでなく、経済関係の強化、安全保障、最先端技術など重層的な関係強化を目指し、中東諸国を歴訪、その最初の訪問国として2007年と2013年に続く3度目の訪問となった。滞在中は、ムハンマド・アブダビ皇太子との面談やジェトロが主催した日UAEビジネスフォーラムでスピーチなどを行った。

UAEのメディアは、安倍首相とムハンマド・アブダビ皇太子との会談で発出された「戦略的パートナーシップの深化及び強化に関する共同声明(CPSI)-繁栄と安定に向けた協力の新たな章の幕開け-」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)および、両氏立ち会いの下、締結された「日アラブ首長国連邦投資協定」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を通じ、両国がエネルギー分野に限らず多様な分野で協力関係を強化させていくことで合意したことを中心に報道している。

CPSIでは、政治、経済、文化・万博・オリンピック、教育・先端科学技術、環境・エネルギー・水、防衛、安全保障、領事、医療、農業・食糧安全保障、航空、女性のエンパワーメントという多様な12分野について、共通のビジョン・協力戦略の策定のために協働していくことが確認された。

具体的には、経済分野では非エネルギー分野におけるビジネス多様化、中小企業間のビジネス交流、フィンテックを含む金融分野などでの協力、教育・先端科学技術では、地球観測衛星「ハリーファサット」の年内打ち上げを含む宇宙協力や、ロボット技術、IoT(モノのインターネット)、人工知能などの分野での協力推進などが含まれている。

投資協定は、両国間における投資の促進および保護のため、相手国における投資活動と投資財産への待遇を定めるもの。

30日に行われたジェトロ主催のビジネスフォーラムでは、脱石油・産業多角化などで期待されるビジネス機会の最大化を目的に、安倍首相に同行した20以上の企業・団体トップらによる、エネルギーセキュリティーや産業多角化、人材開発・イノベーションなどに関する各社の取り組みが発表され、日UAE企業・政府関係者ら約450人が参加した。

(山本和美)

(アラブ首長国連邦、日本)

ビジネス短信 e27770c5fab04376