大連市、外資誘致の強化に向けた12分野45項目の政策を発表

(中国)

大連発

2018年05月16日

大連市政府は5月7日、「大連市の対外開放の拡大と外資誘致の強化に向けた若干の政策意見」(注1)に関する記者発表会を開催した。同意見は、大連市の外資誘致の質と量を向上させ、大連および東北地域の一層の発展につなげることを狙いとしており、外資誘致重点分野、企業経営コスト削減、工業用地の利用、融資、人材誘致、公平なビジネス環境の整備、投資手続きの簡素化など、12分野45項目の具体的な政策を制定・公布した。

ハイレベル製造業と現代サービス業を重点誘致

重点誘致分野はハイレベル製造業(注2)と現代サービス業で、登録資本金(実行ベース)が1,000万ドル以上の外資系企業に対し、600万~1,200万元(約1億200万~2億400万円、1元=約17円)の奨励金を支給するとした。

また、地域本部や研究開発拠点の設立も奨励している。地域本部拠点を新設する登録資本金(実行ベース)1,000万ドル以上の外資系企業に対し、800万~1,600万元の奨励金を支給する。さらに新設の外資系研究開発拠点に対しては、設立補助金を支給するほか、税金、通関、外貨管理関連の優遇策も設ける。

そのほか、外資系企業で雇用する高度人材に対して、ビザの取得、人材教育費用を一部補助するとしたほか、ハイテク企業向けの税金の減免、オフショアアウトソーシング業務に対する増値税の免除などにも触れている。さらに、外資系企業に対する工業用地の優先確保、中国政府系のプロジェクトへの参入支援、外資系病院における医療保険の適用なども積極的に進めるとした。

(注1)同意見の全文は2018年5月15日現在未発表だが、近日中に発表される見込み。大連市商務局によると、同意見全文の和訳も進めており、日本企業向けに広く政策を普及させるとしている。

(注2)「中国製造2025大連行動計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で優先的に支援すると規定される業種。

(李莉)

(中国)

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