2017年のホテル外食産業は不振から回復

(スイス)

ジュネーブ発

2018年05月11日

スイスのホテル・外食業界団体「ガストロスイス(GastroSuisse)」が4月25日行った記者発表によると、2017年の外食および宿泊支出は前年比5.6%増となる236億スイス・フラン(約2兆5,724億円、CHF、1CHF=約109円)を記録し、欧州経済危機や2015年1月以降のスイス・フラン高による不振から回復がみられる。カシミール・プラッツァー会長は、業績には地域差があり、業界全体で競争力と投資を取り戻すには、持続的な成長が必要などと述べた。

ホテル・外食産業は、2万9,000以上のホテル・レストランで25万人を超える雇用を抱えるスイスの主要産業の1つだ。同協会が2018年の政策的課題として言及した主な点は表のとおり。

表  ホテル・外食業界における2018年の政策的課題

また、同協会の調査によると、消費者は食品の生産直売を重視しており、調査回答者の80%以上が生産者から直売された素材を使ったレストランでより多くを支払う用意がある、とした。外食における消費傾向として、(1)自家製で新鮮なもの、(2)オーガニック、(3)スローフードが上位に挙がった。一方、レストランでの食事傾向が強まり、ファストフード、持ち帰り、屋台での総支出額は前年比0.5%減少した。

(杉山百々子)

(スイス)

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