ブダペストのタクシー料金が7月から値上げ

(ハンガリー)

ブダペスト発

2018年05月11日

ブダペスト市議会は4月25日、市内のタクシー料金を7月1日から値上げする法案を可決した。初乗り料金は450フォリント(約189円、1フォリント=約0.42円)から55.5%増の700フォリントになる。また、1キロ当たりの料金は280フォリントから300フォリントへ、1分当たりの待機料金は70フォリントから75フォリントへとそれぞれ7.1%の値上げとなる。ブダペスト市のタクシー料金は市の条例で規制されており、2013年から車体の維持費用が上昇しているにもかかわらず、料金は据え置かれていた。

市のタクシー業界団体は、車両保険料が30~40%上昇していること、新式の車両の導入が必要になっていること、税務当局とオンラインで結ぶ決済システムの導入コストが掛かっていることなどからタクシー料金の引き上げを求めており、それが認められたかたちとなった。

ハンガリーでは2015年にタクシー営業の取り締まり強化法案が国会で可決した。これにより、車齢、車両の環境負荷、車体の色(黄色)、ドライバーへの5年ごとの運転試験実施などが、タクシー運転手のみならず配車アプリでのサービス提供者に対しても厳格に適用されることになった。

この規制に違反した場合、運転手には一定期間の運転免許停止や車両ナンバープレート没収といった罰則が課せられる。また、違反運転手を抱える配車サービス提供企業にも、アプリやウェブサイトの停止などの処罰が課せられることになり、大手配車サービスのウーバー(Uber)はハンガリーからの撤退を余儀なくされた。なお、ハンガリータクシー協会のミクローシュ・タマシュ会長によると、ウーバーが撤退した結果、ハンガリーで営業するタクシーの台数は50~60%増加しているという。

(三代憲)

(ハンガリー)

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