サウジアラビアは米国の決断を全面的に支持

(サウジアラビア、イラン、米国)

リヤド発

2018年05月11日

5月8日に米国トランプ大統領がイランの核開発に関する「共同包括行動計画(JCPOA)」合意からの離脱を表明したことにつき、5月9日付サウジ国営通信(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、サウジアラビア政府は「イランはレバノンのヒズボラやイエメンのフーシ派など、地域の不安定化をもたらすテロ組織を支援している」と言及し、「サウジアラビアは、トランプ大統領が発表した米国によるイランとの核合意からの離脱、およびイランに対する制裁復活を支持するとともに歓迎する」と発表した。

同国は、もともと2015年7月のJCPOA合意については大量破壊兵器の拡散に歯止めがかかるとして、周辺の湾岸協力会議(GCC)諸国と足並みをそろえるかたちで支持していた。しかし、2016年1月にイランと国交を断絶しており、結果、両国間での政治的・経済的活動が遮断されている。加えて、2017年11月以降、イランが支援しているとみられるイエメンのフーシ派による度重なるサウジアラビア国内向けのミサイル攻撃に煩わされている。

中東地域においても、サウジアラビアと2017年6月に国交を断絶したカタールがイラン寄りの姿勢を見せるようになるなど、近年はイランとサウジアラビアとの対立関係などを背景に、地域の連帯にほころびが生じている。

(柴田美穂)

(サウジアラビア、イラン、米国)

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