メドベージェフ首相が再任、副首相級候補者を提案

(ロシア)

モスクワ発

2018年05月09日

メドベージェフ首相が5月8日、再任された。前日のプーチン大統領の4期目就任と同時に大統領により提案され、下院にて投票数430のうち374票(総議席数の83.1%)を得て、賛成多数で承認された。これを受け、プーチン大統領は首相任命に関する大統領令に署名した。

下院での承認を受けて、メドベージェフ氏は「連邦政府が直面する困難と責任の両方を認識し、大統領によって与えられた課題の解決に確信を持っている。現代的な国民生活、国民の繁栄、幸福の実現に向けた計画を実施する」と述べた。

また、メドベージェフ氏は5月7日に自身が党首を務める与党「統一ロシア」幹部と面談。その際に、副首相級候補者を提示した。アントン・シルアノフ財務相の第1副首相への昇格、タチアナ・ゴリコワ会計検査院長の副首相への昇進、オリガ・ゴロジェツ副首相、ビタリー・ムトコ副首相、ドミトリー・コザク副首相の留任などが提案されている(表参照)。

表 メドベージェフ氏が提示した副首相級候補者リスト(5月7日時点)

このほか、ユーリー・トルトネフ副首相兼極東連邦管区大統領全権代表は留任と取り沙汰されている。他方、イーゴリ・シュワロフ第1副首相、アルカジー・ドボルコビッチ副首相などは転出が想定され、このうちシュワロフ氏はモスクワ大学総長に就任すると報じられている。

元ウラル連邦管区大統領全権副代表で政治工学者アンドレイ・コリャディン氏は、連邦政府は今日、大統領府が作成したプログラムを実施する単なる執行機関になっていると指摘。「副首相や閣僚はもはやマネジャーだ。ルールと期限を守り、担当者を管理することがタスクであり、担当分野は重要ではない」と述べている(インターネットメディア「クルブ・リギオナフ」5月8日)。

(齋藤寛)

(ロシア)

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