米国政府、トルクメニスタン産綿製品の輸入を禁止

(米国、トルクメニスタン)

欧州ロシアCIS課

2018年05月25日

米国国土安全保障省・関税国境警備局は5月24日、ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに引渡保留命令(WRO、5月18日付)を公開し、トルクメニスタン産綿と同製品の米国への輸入を禁止した。以後、同国産綿と製品(全部もしくは一部を問わない)を米国に輸入したもの(輸入者)には罰則が科せられる。現地法律事務所は米国で衣料品などを輸入する(日系を含む)企業に対し、原材料の原産地を確認するよう呼び掛けている。

インターネットメディア「アリテルナチブニエ・ノボスチ・トルクメニスタナ(「トルクメニスタンの代替ニュース」の意、AHT)」は5月23日、今回の関税国境警備局の決定について報道した。2016年4月にAHTと「国際労働権利フォーラム(ILRF)」が同局に告発状を提出し、同局による調査の結果、決定が下されたと今回の背景を説明している。AHTは、同国で毎年の綿花の収穫作業に、教師や医師を含む1万人以上の公務員と10~15歳までの児童も従事させられていると指摘している。

トルクメニスタン政府は、2017年の綿花の収穫量を110万トンと発表している。作付面積は50万ヘクタール。トルクメニスタンから米国向け輸出額の最大シェア(52.0%、718万ドル)を綿・綿織物等が占める(2017年実績、米国側統計、第三国経由を含まず)。天然ガス輸出が主力であるトルクメニスタンにとって、綿関連産業は非資源分野での数少ない輸出産業の1つとなっている。

米国の法律事務所クロウェル・モーリングは同事務所のウェブサイトで、「(今回の禁止を受け)小売業者やアパレルブランド(メーカー)は早急にサプライチェーンを確認し、トルクメニスタン産綿を取り除く必要がある」と警告している。

(高橋淳)

(米国、トルクメニスタン)

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