大統領選、ドゥケ氏とペトロ氏による決選投票へ

(コロンビア)

ボゴタ発

2018年05月30日

フアン・マヌエル・サントス大統領の任期満了に伴う大統領選挙が5月27日に実施された。6人の候補者はいずれも過半数に届かず、6月17日に民主中道党のイバン・ドゥケ氏と前ボゴタ市長のグスタボ・ペトロ氏の決選投票が行われることが確定した。

ゲリラ組織との和平合意策の継続が争点

ドゥケ氏はサントス大統領が進めている左翼ゲリラ組織への懐柔政策を批判し、ペトロ氏は和平交渉の継続を公表しており、ポストコンフリクト(紛争後)政策の違いがはっきりしている。ドゥケ氏はゲリラ組織撲滅へ強硬姿勢を崩しておらず、現政権の懐柔政策によって投じられた国家予算を他の政策に回すと公表しており、国民の支持を広げたようだ。

憲法上、過半数の票を獲得した候補者が当選するが、選挙管理委員会の発表(開票率100%時点)によると、各候補者の得票率は、ドゥケ氏が39.14%(756万9,693票)でトップ、次いでペトロ氏が25.08%(485万254票)、前メデジン市長のセルヒオ・ファハルド氏が23.73%(458万8,966票)だった。前副大統領のヘルマン・バルガス・ジェラス氏と、サントス政権で左翼ゲリラ組織(FARC)との和平交渉団の政府側代表を務めたウンベルト・デ・ラ・カジェ氏はそれぞれ、7.28%、2.06%と伸び悩んだ。

地域別にみると、首都ボゴタではファハルド氏が33.77%、ペトロ氏が29.9%、ドゥケ氏が26.78%の得票率だった。第2の都市メデジン市があるアンティオキア県ではドゥケ氏が53.1%、ファハルド氏が28.4%、ペトロ氏が9.25%と、ドゥケ氏が過半数の票を獲得した。また、西部の都市カリでは、ドゥケ氏が29.9%、ファハルド氏が28.6.51%、ペトロ氏が27.8%だった。

決選投票へ向け、3位以下の候補者の動きは今のところ不透明だ。ペトロ氏の副大統領候補アンヘラ・マリア・ロブレド氏は自身のツイッターで、ファハルド氏、デ・ラ・カジェ氏に対し連携を呼び掛けた。しかし、ファハルド氏は決選投票で誰を支持するか述べておらず、デ・ラ・カジェ氏も支持者に対して、各自の信念に基づいて行動してほしいと呼び掛けている。

今回の投票率は53.37%と、前回2014年の40.65%(決選投票は47.97%)を12.72ポイントも上回り、国民の関心の高さを示した。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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