中銀が2行の合併を承認

(タンザニア)

中東アフリカ課

2018年05月24日

タンザニア中央銀行(BoT)のバーナード・キベッセ副総裁は5月16日に記者会見を行い、Twiga Bancorpとタンザニアポスタル銀行(TPB)が翌17日に合併することを承認したと発表した。合併後の名称はTPB。キベッセ氏は今回の合併を金融業界の安定化と小規模な銀行削減の一環としており、今後も金融機関の統合が見込まれるとしている。

Twiga Bancorpは1992年に国民商業銀行(NBC)の子会社として設立され、1998年にTwiga Bancorp としてBoTからライセンスを取得したが、2016年10月以降は多額の負債を抱え、BoTの管理下にあった。一方のTPBは中堅銀行で、2016年の純利益が前年の82億タンザニア・シリング(約4億1,000万円、Tsh、1Tsh=約0.05円)から108億シリングに増加するなど、好調な業績を記録していた。

業績悪化の5行を管財人の管理下に

ジョン・マグフリ大統領は2017年12月、BoTに対して経営状態の悪い銀行は閉鎖するよう指示しており、2018年1月にBoTは銀行・金融機関法に基づき、業績が悪化していた5行(注)の銀行ライセンスを取り消し、管財人の管理下に置いた。また大統領は3月、経営難の銀行に財政支援しないようBoTに指示していた。

タンザニアには大手のCRDBやNMBをはじめ約40の商業銀行があるが、2015年以降は不良債権に苦しむ金融機関が多く、BoTによれば、2017年12月には銀行セクター全体の不良債権比率は11.7%と、同年6月の10.6%より拡大していた。今回の2行の合併も、銀行経営の安定化と金融業界の健全化を通じて、タンザニアの経済成長を目指す動きの一環といえそうだ。

(注)5行は、Covenant Bank For Women、Efatha Bank、Njombe Community Bank、Meru Community Bank、Kagera Farmers’Cooperative Bank。

(小松崎宏之)

(タンザニア)

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