ヴァーレ・モザンビーク2017年度決算、初の黒字に

(モザンビーク)

ヨハネスブルク発

2018年05月30日

ブラジル資源大手ヴァーレの子会社であるヴァーレ・モザンビークが、2017年度の決算を発表(5月3日)した。同社の利払い前・税引き前・減価償却前利益(EBITDA)は、2016年度の91億メティカル(約164億円、1メティカル=約1.8円)の赤字から、2017年度には57億メティカルのプラスに転じ、初の黒字となった。同社は2011年に生産を開始している。

2017年度の売上高は、2016年度の439億メティカルから973億メティカルに倍増した。大幅な黒字を計上した理由として、石炭輸出の増加、石炭の国際市場価格の上昇、通貨メティカルの上昇が挙げられた。メティカルは、2016年10月の1ドル=80メティカルから、2017年は1ドル=60メティカルに上昇した。

また、ヴァーレ・モザンビークの石炭生産量は、2016年の560万トンから、2017年には1,120万トンに倍増した。石炭生産の増加は、モアティゼ第2炭鉱の生産開始と、ナカラ回廊の鉄道港湾の整備による輸出の本格化が背景にある。同社財務部長のマルセロ・テルトゥリアーノ氏によると、EBITDAは黒字となったが、株主配当を出せるほどの純利益は上げておらず、依然として3,800億メティカルの負債がある。

モザンビーク銀行と統計局によると、同社の石炭輸出は2017年の鉱物資源セクターの輸出額の72%を占め、石炭がアルミニウムを抜いてモザンビークの輸出品目1位となった。

また、2017年にヴァーレ・モザンビークは、モザンビーク政府に3,000万メティカルのロイヤルティーを支払ったと報道されており、モザンビーク政府の財政改善にも貢献している。なお、三井物産はモアティゼ炭鉱の権益95%を保有するヴァーレ・モザンビークの15%持ち分を2017年に取得している。

(阿部晶子)

(モザンビーク)

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