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総選挙、新会派が多数の議席獲得

(イラク)

ドバイ発

2018年05月24日

総選挙が5月12日に実施された。シーア派イスラム宗教指導者のムクタダ・サドル師がイラク共産党と組織した新会派「変革への行進(サーイルーン)」が第1会派となった(添付資料参照)。

政権の汚職を追及する姿勢で大衆的支持を得て、シーア派の聖地を擁する中南部ナジャフ・カルバラーなどにとどまらず、大票田のバグダッドでも最大多数を獲得した。続いて、過激派掃討に貢献したシーア派民兵組織の指導者であるハディ・アミリ元運輸相が率いた「征服連合(ファス/ファタハ)」が第2会派に、ハイダル・アバディ現首相が率いた「勝利連合(ナスル)」は宗派・民族を超えた連携を唱え、スンニ派地域の北部ニナワ県で最大得票を得たが、第3会派にとどまった。

今回の選挙前の最大会派で、ヌーリ・マリキ前首相が率いる「法治国家連合」は、前述の会派分離などの影響もあって大きく議席を減らす結果となった。スンニ派の諸政党は勢力を結集できず、最大会派の「イラク決意連合」も議席を減らした。

クルディスタン地域の各政党については、クルディスタン民主党(KDP)は現状維持となったが、同党と2大政党と形成するクルディスタン愛国同盟(PUK)は議席を減らす見込み。PUK内では2017年に党創設者でイラク戦争後の初代大統領だったジャラル・タラバニ議長が逝去したのち、タラバニ派と現暫定議長派で内紛状態となっている。第3勢力の変革運動(ゴラン)も議席減、「新世代」などのクルド振興勢力も伸び悩んだ。

2017年末の過激派への勝利宣言後初めての国政選挙として注目されたものの、今回の投票率は44.5%と過去4回の総選挙で最低となった。現地複数の有権者の意見を集約すると、投票率が低いのは、長引く政情不安と深刻な汚職により、国民の政治不信が大きいことが主たる要因のようだ。

イラクでは多数の政治グループが林立しており、今回の選挙の結果、最大会派であっても329議席のうち54議席(16%)を見込むにすぎない。首相・閣僚を選出するための連立交渉は既に始まっており、会派指導者同士の会談が順次行われている。2010年の総選挙では、アッラーウィー元イラク暫定政府首相(現「ワタニーヤ」代表)が率いた世俗派連合「イラク国民運動」が最大会派を獲得したものの、シーア派主導グループにクルド系が協力し、マリキ連立政権が続投した経緯もある。今後の連立交渉の推移が注目される。

(田辺直紀、オマール・アル・シャメリ)

(イラク)

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