アジア最大級のビジネスジェット機展示会が開催

(中国)

上海発

2018年05月07日

アジア最大級のビジネスジェット機(注1)展示会である「アジアン・ビジネス・アビエーション・コンファレンス・アンド・エキシビション(ABACE)2018」が4月17~19日、上海虹橋国際空港で開催された。ビジネスジェット機30機が展示されたほか、米ボーイングやセスナ、フランスのダッソー、エアバス、カナダのボンバルディアなど大手航空機メーカーを中心に関連企業約170社が出展した。ホンダの航空機事業子会社であるホンダ エアクラフト カンパニーは2017年に続き出展し、小型機で世界トップシェアの「ホンダジェット」を展示した。

ABACEは2012年から毎年、全米ビジネス航空協会(NBAA)と上海虹橋国際空港・上海浦東国際空港を運営する上海機場集団が共同で開催している。航空コンサルティング会社のアジアン・スカイ・グループ(亜翔航空)によると、台湾や香港、マカオを含む中華地区のビジネスジェット機保有数は、2017年末時点で512機、前年比7.6%増だった。上海市のビジネスジェット機発着回数はここ5年間、年平均10%超で増加し、2017年は6,660回に達した。拡大するビジネスジェット市場に対応するため、上海機場集団は上海浦東国際空港に大型ビジネスジェット機専用の基地を整備する計画を明らかにしている。

中国ジェネラル・アビエーション市場の規模は5年間で倍増の計画

ビジネスジェット機の普及は、利用者の利便性が高まるだけでなく、金融・保険のビジネスチャンスや雇用拡大など大きな波及効果が期待される。中国政府は低空飛行空域を開放し、ビジネスジェットを含むジェネラル・アビエーション市場(注2)の発展に力を入れている。

中国民用航空局(CAAC)が2017年2月に発表したジェネラル・アビエーションに関する13次5カ年(2016~2020年)計画では、2020年までに中国における市場規模を2015年比で倍増させる(表参照)。利用できる空港を300カ所から500カ所、保有数を2,235機から5,000機、操縦士を3,402人から7,000人にそれぞれ増やす計画だ。

表 中国ジェネラル・アビエーション13次5カ年(2016~2020年)計画

(注1)数人から数十人を定員とする小型機。

(注2)中国語で通用航空。日本のジェネラル・アビエーションよりも若干広い概念であり、ビジネスジェット機や航空会社が運行するオウンユースチャーター機なども含まれる。

(劉元森)

(中国)

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