最大野党のドラカマ党首が急逝、和平プロセスで功績

(モザンビーク)

マプト発

2018年05月09日

野党・モザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)のアフォンソ・ドラカマ党首が5月3日死亡した。享年65歳。ドラカマ氏は、これまでナンプラ市やベイラ市などで軍隊および何者かに襲撃されたことから、中部のゴロンゴザ山中に身を隠していた。死亡の1週間前から持病の糖尿病が重症化していたが、身の危険にさらされていることから、病院での治療は受けていなかったと伝えられている。5月3日にようやく南アフリカ共和国への緊急搬送が決定されたが、搬送途中のヘリコプター内で死亡が確認された。

同氏は、1980年から37年間、RENAMOの党首を務めており、近年の与党モザンビーク解放戦線(FRELIMO)とRENAMOとの和平プロセスにおいて、カギとなる人物だった。RENAMOの支持者は深い悲しみに包まれており、ドラカマ氏の葬儀をどのように行うか注目されている。フィリペ・ニュシ大統領は、ドラカマ氏がモザンビークにとって非常に重要な人物だったとコメントし、引き続き和平プロセスを進める意向を表明している。第2野党モザンビーク民主運動(MDM)のデービス・シマンゴ党首は、ドラカマ氏のこれまでの民主化の功績をたたえるため国家哀悼を宣言すべきだ、また、国民的英雄として埋葬すべきだ、と述べている。ドラカマ氏の公式葬儀は5月9日にベイラ市で行われる予定で、5月10日にはゴロンゴザで家族葬が行われる予定だ。

RENAMOは5月5日、オスフォ・モマデ氏を暫定新党首として選出した。モマデ新党首は、ナンプラ州の出身で、党事務総長を経て国会議員となった。モマデ氏は、暫定新党首に選出された後、和平プロセスを継続していくと述べている。モマデ氏はほぼ無名に近いため、今後、RENAMOの求心力を得ることができるかが課題となる。このため、今後の正式な党首の選出に当たっては、モマデ氏よりも知名度が高く、ドラカマ氏のめいで国会議員のイボーヌ・ソアレース氏の名前も挙がっている。2018年10月の統一地方選に向けて、MDMとの連合や統合のうわさも広がっている。

(阿部晶子)

(モザンビーク)

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