GST税率が6%から0%に、6月1日から適用

(マレーシア)

クアラルンプール発

2018年05月21日

マレーシア財務省は5月16日、物品・サービス税(GST)を6月1日から、現行の6%を0%に引き下げると発表した。財務省の発表前の記者会見でマハティール首相が「GSTの徴税を中止する」と発言したことを受けたもの。与党・希望連盟は、国民の負担軽減のためGSTを廃止の上、以前に導入していた売上税およびサービス税(総称してSST)を再導入するとし、これを政権発足後100日間で取り組むとしている。

GSTの枠組みは維持

GSTは前政権下において、財政赤字の削減と税収の拡大を目的として2015年4月1日から導入された多段式の付加価値税だ。ゼロ税率が適用されているコメ、パン、果物を含む食料品の一部、国内消費者向けの水供給、電気代など特定の生活必需品や一部の免税サービスといった例外を除き、ほぼ全ての物品およびサービスに対し流通の各段階において課税され、最終的な税負担者は消費者となる。

他方、それまで導入されていたSSTについては、売上税は工場出荷時、サービス税はサービス提供時のみの課税で、対象となる物品およびサービスの範囲はGSTよりも限定的だった。そのため、GSTは実質的な国民の負担増になるとして批判も出ていた。

今回の措置はGST税率の変更で、GSTの枠組みは維持され、GST登録者に義務付けられるタックスインボイスの発行や納税申告書の提出などは現行の規則に従うことになる。

税率変更は6月1日からの適用となるが、同日をまたいで提供されるサービスに対する課税措置などの詳細については今後発表される見通しだ。

財務省は、今回の措置に関する当面の質問について、以下の税関窓口に問い合わせるよう説明している。

  • マレーシア税関(電話:1300-88-85-00/マレーシア国内からのみ可能)
  • マレーシア税関コールセンター(電話:+603-7806-7200)

(田中麻理)

(マレーシア)

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