W杯期間中、特定危険物の鉄道輸送を制限

(ロシア)

モスクワ発

2018年05月08日

連邦鉄道輸送庁は4月19日、FIFAワールドカップ・ロシア大会の開催に伴い5月25日~7月25日の間、特定方面への鉄道輸送における危険物の積載・輸送を禁止する規程を定めた。

試合会場所在地域が対象

2018年4月19日付連邦鉄道輸送庁規程第137号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、対象となるのは、モスクワ市、サンクトペテルブルク市、カリーニングラード州、ボルゴグラード州、タタルスタン共和国、ニジェゴロド州、サマラ州、モルドビア共和国、ロストフ州、クラスノダル地方、スベルドロフスク州の11の連邦構成体。

上記期間中、電離放射線源、危険な化学・生物学的物資、放射性物質、有毒物、爆発性物質が使用されている貨物の、荷送人による鉄道駅での積載、鉄道輸送による上記連邦構成体の受取人への積載・輸送が禁止される。対象となる物資は「酸素(深冷液化されているもの)」〔国連番号(注1)1073〕、「二硫化炭素」(1131)、「黄リンまたは白リン」(1381)、「メチルジクロロシラン」(1242)、「アクロレイン(安定剤入りのもの)」(1092)、「二酸化窒素」(1067)など54種類。リストは上記規程添付1および2017年5月9日付大統領令第202号に掲載されている。

貨物積載に関する申請が5月25日より前であっても、貨物の配送が対象期間中に実施されると想定される場合には対象となる。

なお、当該禁止措置は同大統領令第12.1条に基づき、当該連邦構成体において上記期間中に、トランジットを含む鉄道による爆発物・有毒物の商業輸送に関する許可(注2)を有している荷送人と荷受人には適用されない。

(注1)国連経済社会理事会危険物輸送専門家委員会による「危険物輸送にかかる勧告」に示された、当該物質ごとに割り振られた番号。

(注2)ロシアにおける2018 FIFAワールドカップおよびFIFAコンフェデレーションズカップ2017実施期間中の安全保障に関する省庁間運営本部による許可。

(齋藤寛)

(ロシア)

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