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アルゼンチンのペソ安、マクロ経済への影響は限定的も自動車産業で懸念

(ブラジル)

サンパウロ発

2018年05月10日

アルゼンチン・ペソの急落、金利の大幅引き上げという状況を受け、各紙は今後のブラジル経済への影響について報じている。各主要記事のポイントは、短期的にブラジル金融市場への影響は小さい、ただし自動車などアルゼンチンとの関係が密接な産業分野では影響が懸念されるというものだ。

ブラジル金融市場にとっては影響が小さいとする根拠は、高い水準にある外貨準備高、低い水準を保つ経常収支赤字、さらに金利、物価上昇率ともに歴史的に低水準にある点だ。事実、ブラジルの外貨準備高は2018年4月末時点で3,820億ドルと高水準を維持し、経常収支赤字は2018年第1四半期に32億1,900万ドル、GDP比0.64%と新興国の中でも低い。政策金利(Selic)は2018年4月末時点で年率6.5%と1999年にインフレターゲット政策を導入してから最低水準にあり、拡大消費者物価指数(IPCA)も2018年3月に前年同月比2.68%とインフレ目標中央値4.5%を大きく下回る。

一方自動車産業について、ブラジルの乗用車輸出額は2018年1~4月(暫定値)に20億6,800万ドルだったが、そのうちアルゼンチンは16億2,800万ドルと78.7%を占める。2018年5月9日付「フォーリャ・デ・サンパウロ」紙は、高金利に伴う市場停滞などによりアルゼンチン向け自動車輸出が10%減少すれば、ブラジルの自動車生産は2~2.5%低下するとの業界関係者の試算を伝えている。

株式市場は上昇、為替は下落傾向

実際の金融市場の指標をみると、主要株式指標であるボベスパ指数は原油高の影響もあり上昇し、5月9日は前日比1.6%上昇の8万4,265ポイントで引けた。通貨レアルは米国金利の上昇などの影響を受け、対ドルで下落傾向にあるが、アルゼンチン・ペソのような急落という状況にはない。ただし対ドルレートは、2018年4月30日時点の1ドル=3.48レアルから、5月9日時点で3.59レアルへと3.1%下落、およそ一月前に当たる4月2日時点との比較では7.9%下落している。

為替下落は物価の押し上げ要因になる。2018年5月4日時点の中銀フォーカスでは2018年のIPCAは3.49%と低水準が見込まれるものの、アルゼンチンの影響に加えて10月に予定される大統領選挙という政治情勢を踏まえ、今後の為替動向に注目する必要がある。

(二宮康史)

(ブラジル)

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