日揮とフルアのJV、LNGカナダのEPC契約を獲得

(カナダ、米国)

トロント発

2018年05月02日

LNGカナダ(注)は4月27日、日揮と米国フルアのジョイントベンチャー(JV)を、事業の設計、調達、建設工事(EPC)の契約者として選定したと発表した。この契約は、LNGカナダが2018年末に予定している最終投資決定(FID)を踏まえるという条件付きのものだが、今回の発表は、FIDに向け、計画が1つ進んだことになる。LNGカナダは、計画が前進すれば、日揮とフルアは5年間のプラント建設期間中、数千人の熟練労働者を直接雇用する責任を負うことになるとしている。また、LNGカナダは、地元およびブリティッシュ・コロンビア(BC)州内での雇用を優先することを約束している。

LNGカナダは、BC州のキティマットに建設が予定されており、総工費はトランスカナダが計画しているBC州北部からキティマットを結ぶ沿岸ガスリンクパイプラインの47億カナダ・ドル(約3,995億円、Cドル、1Cドル=約85円)を含めて合計で400億Cドルが見込まれている。LNGカナダの液化天然ガス生産能力は、2系列(年間650万トン/系列)で計画され、将来的には4系列まで拡張する可能性を含んでいる。

同プロジェクトは、2014年にカナダ国家エネルギー委員会(NEB)からLNGの輸出許可を取得したが、液化天然ガス(LNG)の価格下落の影響を受け、2016年末に予定されていたFIDは2018年末に延期された。また、LNGカナダは連邦政府に対し、中国、韓国からの鉄鋼コンポーネント輸入に対するアンチダンピング税の免除を求めている。

(注)シェル50%、ペトロチャイナ20%、三菱商事15%、韓国ガス公社15%出資のアジア向けLNGの輸出用プラント開発計画。

(伊藤敏一)

(カナダ、米国)

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