中・南部を結ぶ高速貨物列車、10月に運行開始

(イタリア)

ミラノ発

2018年04月16日

フェロビエデッロスタート(FS、旧イタリア国鉄)グループの物流会社であるポロ・メルチイタリアは4月6日、2018年10月から高速貨物列車の運行を、ボローニャ~カゼルタ(ナポリ近郊)間で開始すると発表した。ボローニャ~ナポリ間の高速貨物列車の運行は汎(はん)欧州運輸網(TEN-T)構想の10の中核ネットワークのうち、北欧のストックホルム・ヘルシンキ~南欧のパレルモ・バレッタ間のネットワークに属しており、今回の発表もその構想の一環に位置付けられるものだ。

平均時速は180キロ

車両には、旅客輸送において高速鉄道(時速300キロ運転)に投入されてきたETR500型が採用される。上記区間を平均時速180キロ、3時間20分で結ぶ予定だ。貨物車両内には、迅速な荷積み・荷降ろしを可能とするロールコンテナ積載用の特別設備が備えられる。FSの発表によると、12両編成時にはボーイング747カーゴ貨物機2機分に相当する積載能力を有し、自動車での輸送と比較して二酸化炭素の排出量を約80%削減できるという。

FSは、配達の迅速性やテーラーメードのサービスを求める顧客への対応を想定している。北部のトリノ、ノバラ、ミラノ、ブレーシャ、ベローナ、パドバや、中部のローマ、南部のバーリなどの都市にも同様の高速貨物列車ネットワークを展開する計画もある。

また同日、FSグループの鉄道ネットワーク管理会社レーテ・フェッロビアリア・イタリアーナと中央ティレニア海港湾システム局との間で、ナポリ港近隣地域への鉄道乗り入れの可能性を検討するワーキンググループの開設が合意された。今後約7カ月間で、主にナポリ港東部のサンジョバンニ・バッラ地区へのターミナル新設可能性を検討する予定だ。

(山内正史)

(イタリア)

ビジネス短信 ee804beb486fc969