議会選で与党連合が圧勝、オルバーン政権続投が確実に

(ハンガリー)

ブダペスト発

2018年04月10日

ハンガリー議会選挙(国会、一院制、定数199)が4月8日に実施され、EUの移民政策や統合深化に反対する、オルバーン・ビクトル首相率いる政権与党のハンガリー市民同盟(フィデス)/キリスト教民主連合(KDNP)連合が定数199の3分の2を超える134議席(開票率98.96%)を獲得し圧勝、オルバーン政権の続投が確実となった。同政権は3期連続4度目となる。

ハンガリー選挙委員会によると、各党の獲得議席数〔4月10日午前1時(現地時間)の速報値〕は、フィデス/KDNP連合が134(うち小選挙区91議席、1議席増)、極右と称されるヨッビク(Jobbik)が25(2議席増)、社会党/対話連合が20(10議席減)、民主連合(DK)が9(3議席増)、新しい政治のかたち(LMP)が8(5議席増)、その他3となった(表参照)。

表 ハンガリー議会選挙結果(開票率 98.96%)

今回の投票率は過去最高だった2002年の70.53%に迫る67.56%で、投票所には順番を待つ長い行列ができるほど注目度が高かった。投票終了時間になっても投票が終わらない一部の投票所では終了時間を延長した。

オルバーン首相は4月8日夜に勝利宣言を行った後、現地エコーテレビ(ECHOTV)のインタビューで、「低い失業率、年金受給者への援助、手厚い家族手当を実現させた『ハンガリーモデル』を展開しているが、まだ道半ばであるとし、EUがこのモデルを変えようとした。しかし、われわれは自らの未来を守る権利を堅持した」と語った。

今回の選挙結果を受け、第2党となったヨッビクのボナ・ガーボル党首は、目標だった政権交代を達成することができなかったことから党首辞任を表明。社会党のモルナール・ジュラ党首も辞任を表明した。

(三代憲)

(ハンガリー)

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