ホンダジェット、東欧で初めてポーランドに納品

(ポーランド)

ワルシャワ発

2018年04月25日

小型ビジネス航空機「ホンダジェット」の納品式が4月12日、ワルシャワ・ショパン空港で行われた。中・東欧地域への納品はポーランドが初めてで、購入したのは日本でも販売されている高級ウオッカで有名なショパン・ウオッカの創業者でオーナーのタデウシュ・ドロタ氏だ。同氏は米国のホンダ エアクラフト カンパニー本社にも赴き、同社の藤野道格社長の熱意に感銘を受け購入を決めたという。ポーランドでは、1992年から経済のプラス成長が続いており、2017年の実質GDP成長率も4.6%と好景気に沸く。ホンダジェットの欧州ディーラー、ホンダジェット・ヨーロッパは、中・東欧販売拠点をワルシャワに置き、販売拡大を図る。

機体は3月初めにワルシャワに到着し、納品式当日に運航に必要な認証を得た。納品式で初めて披露された機体には、ショパン・ウオッカのロゴも入った特別仕様となっている。ポーランドのプライベートジェットオペレーター、ジェット・ストーリーが同機を管理、運航する。同社の欧州やロシアでのチャーターサービスにも利用される予定だ。

ホンダジェットは2017年に世界で43機を売り上げ、小型ジェット機のカテゴリーで首位に立ったが、実はポーランドとのつながりがある。ホンダジェットに搭載されたエンジン「HF120」は、米国のゼネラル・エレクトリック(GE)との合弁企業であるGEホンダ・エアロエンジンが設計・製造しているが、GEの航空部門はポーランド航空研究所との合弁で、ワルシャワにおよそ2,000人のエンジニアを抱える研究開発拠点を持っている。HF120の設計の一部は、ワルシャワのチームによって手掛けられた。なお、ホンダジェットは主翼上にエンジンを配置することでスペースを確保し、小型ビジネスジェットとしては初めて水洗トイレの設置を実現している。

12日の式典には、ホンダ エアクラフト カンパニーの代表者、GEホンダ・エアロエンジンのスティーブン・シャクナイティス副社長、在ポーランド日本大使館高橋臨時代理大使のほか、在ポーランド日本商工会関係者、ジェトロ・ワルシャワ事務所、現地関係者らおよそ100人が参加し、ホンダジェットの機内紹介も行われた。

写真 納品式で披露された「ホンダジェット ショパン エディション」(ECh&W法律事務所提供)

(小松理恵、牧野直史)

(ポーランド)

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