テキサス州知事、NAFTAの条項保護を訴える書簡を提出

(米国)

ヒューストン発

2018年04月10日

テキサス州のグレッグ・アボット知事は4月4日、米通商代表部(USTR)ロバート・ライトハイザー代表に対し、有効な北米自由貿易協定(NAFTA)の条項保護を促すべく、テキサス州と国家全体の経済成長と安定に寄与する条項の保護を訴える書簡を提出した。

同書簡では、NAFTAが同州の経済の多様化および労働市場の安定化を実現し、20年以上にわたり重要な協定として位置付けられてきたと言及。同州は毎年NAFTAの下、カナダとメキシコから石油製品を115億ドル、メキシコからは自動車関連部品を60億ドルなど、製造業に使用される製品の40%を輸入し、また、逆にメキシコは同州を含む米国が輸出するガソリンの約半分を購入し、カナダはどの国よりも多く米国の原油を輸入していると指摘。こうした既に確立された米国のサプライチェーンを混乱させる恐れのある条項のルール変更は避けるべきと警告している。

例えば、NAFTAの「原産地規則」に関しては、現規則では締約国によって生産された製品のみに恩恵が及ぶことを保証しているが、より厳しい規則へ変更された場合、生産コストの上昇、消費者物価の高騰、雇用の喪失などにつながるため、同規則の保持は必要だと同書簡は述べている。

これまで、NAFTAはテキサスと同協定締結国向け国輸出の増加につながる海外投資を実現させてきた。今後も米国企業が投資を継続し、輸出の利益を享受していくためには、NAFTAの貿易相手国での公正な待遇が保障されなければならないと訴えている。

(内田香織里)

(米国)

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