電気・電子機器での特定有害物質使用を制限

(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、アルメニア)

モスクワ発

2018年04月02日

ユーラシア経済連合(EEU)加盟国で3月1日、特定有害物質6種類の使用を制限する技術規則が発効した。対象製品はコンピュータ、テレビ、携帯電話など多岐にわたる。2020年3月1日までが移行期間で、それ以降対象製品をEEU加盟国で流通させる場合は新規則に対応しなければならない。

6物資が対象、2年間は移行期間

発効したのはユーラシア経済委員会評議会決定第113号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますユーラシア経済連合技術規則「電気電子機器・無線機器における危険な物質の使用制限について」(2016年10月18日付)で、人々の生命・健康と環境保全のため、対象製品に含まれる6種類の特定有害物質の最大許容濃度を規定している。鉛、水銀、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)は0.1%、カドミウムは0.01%とされる。

対象製品は表のとおり。電子玩具、電気・電子・無線機器に含まれる太陽光パネル、バッテリー、中古の電気・電子・無線機器、計測機器、医療機器など10品目は対象外とされる。

表 特定有害物質使用規制の対象品目リスト
品目 詳細
家庭用電気製品・機器 調理・食品保存機器、キッチン設備、洗濯・アイロン・乾燥・クリーニング用機器(リネン・衣類・靴用)、清掃機器、室内空調維持・管理機器、衛生機器、ヘア・ネイル・スキンケア機器、ウォーマー、振動マッサージ機器、ゲーム・スポーツ・トレーニング機器、AV機器、テレビ・ラジオ受信機、縫製機器、電源、チャージャー、電圧安定器、ガーデニング機器、池・水槽用器具、電子ポンプ、電子時計、計算機、配線器具、延長コード
電子演算機器、接続デバイス(それらの組み合わせを含む) サーバー、PCユニット、ノートパソコン、タブレット、携帯情報端末、ポケットPC、その他小型コンピュータ、キーボード、マニピュレーター、トラッカー、コントロール・インプットユニット(マウス、ジョイスティック、ヘルメット、眼鏡)、リムーバルストレージ機器、モニター、プリンター、スキャナー、スピーカー・ヘッドホン、マルチメディアプロジェクター、バイオメトリック情報リーダー、ウェブカメラ、モデム、無停電電源装置
通信機器(通信ターミナル機器) 固定電話機、携帯電話、自動電話、ファクス、テレックス、無線機、無線周波数識別装置(RFID)
コピー機、その他電子オフィス機器
電動工具
光源・照明器具(家具ビルトイン型含む)
電子楽器
スロットマシン、自動販売機
レジスター、チケット販売機、IDカードリーダー、ATM、電子案内板
AC・DC500V以下で用いられるケーブル、ワイヤ、コード(光ファイバーケーブルを除く)
遮断機、漏電遮断器
火災安全警報器

(出所)ユーラシア経済連合技術規則(037/2016)

ユーラシア経済委員会技術規則・認証局長のアルマン・シャカリエフ氏は「これまでEEU加盟国においては、家庭用機器に含まれる有害物質を制限する規制が明確に存在しなかった」とし、今回の技術規則はEUの改正特定有害物質使用制限(RoHS)指令を参考にしているという。

移行期間は2020年3月1日までの2年間。同日までEEU加盟国では各国法令に基づく製品の製造・流通は認められる。

(齋藤寛)

(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、アルメニア)

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