初の上院発足、与党連合が圧勝
(コートジボワール)
アビジャン発
2018年04月10日
新憲法の下で実施された初の上院議員選挙の結果が4月4日、憲法院によって認定された。野党不在の中、大方の予想どおりワタラ大統領が所属する共和国主義者連合(RDR)が最多の議席を獲得し、第1党となった。
新憲法(2016年11月施行)では国民議会と上院の二院制が規定され、2018年3月24日に初の上院議員選挙が実施された。公式開票結果によると、全国33選挙区(31地域圏、アビジャンおよびヤムスクロ特別区)のうち、民主主義と平和のためのウッフェ主義者連合〔RHDP:RDR、コートジボワール民主党(PDCI)などの政党により結成された政治同盟〕が25選挙区、無所属が8選挙区で勝利した。政党別議席数は、RDRが30、PDCIが20、無所属16となった。
なお、結果発表後、当選した無所属候補のうち7人がRDR、5人がPDCIへの帰属を表明している。5日に招集された初議会で、大統領付政治対話・国家機関関係担当国務大臣のアウス・クアジオ元首相が議長に選出された。
野党不在の選挙
新設された上院は定数99で、任期は5年。このうち3分の1に当たる33人は大統領により指名される。今回の選挙で上院議員となった66人は一般選挙ではなく現職の議会議員などで構成される選挙人団による間接選挙で選出された。
主要野党による一連の選挙ボイコットで、議員が選挙権を持つ国民議会、地域圏議会、市議会では、与党連合RHDPに帰属する政党の議員が圧倒的に多いことから、与党に有利に働いた。ワタラ政権は、国民議会と上院の両院で圧倒的多数を占め、今後の政権運営で安定した基盤の上で強い影響力を行使するとみられる。
ワタラ大統領は近く、幅広い階層から33人の議員を指名するとしている。なお、第1回上院議会期は特例法で2020年までとされている。立法の優先権は国民議会にあるが、上院は法案の修正などを求める権限を持つ。
(渡辺久美子)
(コートジボワール)
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