中国の銀行開設の動きが続く

(チリ)

サンティアゴ発

2018年04月24日

中国の銀行開設に向けた動きが近年続いている。中国建設銀行(China Construction Bank)は既に2016年6月から銀行業務を開始しているが、2018年3月、中国銀行(Bank of China)に対し、銀行・金融機関監督庁(SBIF)から支店開設の承認許可が下りた。2017年8月には中国交通銀行(Bank of Communications China)がSBIFと会合を持ち、支店開設に向けた話し合いが行われたとの報道もなされている。

チリにとって中国は最大の貿易相手国で、輸出入ともに国・地域別1位、往復貿易額の4分の1のシェアを占めている。しかし投資面におけるプレゼンスは低く、2016年末時点の対チリ直接投資残高は1億1,700万ドルと、シェア0.04%にすぎない(日本は58億9,600億ドル、シェア2.3%)。

目立ってきた中国による投資案件や計画

2018年に入り江蘇洋河(Jiangsu Yanghe Distillery)によるサンペドロタラパカワイナリーの一部株式取得や中国中鉄(China Railway Group)のサンティアゴ~バルパライソ間の高速鉄道計画への参画など、中国企業による投資案件、計画が相次いで報道されている。また、チリ対内投資促進庁(Invest Chile)は2018年内に中国拠点を設けることを発表しており、チリ政府として中国からの投資をさらに積極的に受け入れるスタンスを取っている。中国の銀行支店開設により、チリにおける中国勢による投資のプレゼンスが一層高まっていくことが予想される。

(中山泰弘、岡戸美澪)

(チリ)

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